コボラーに一日でSeamを理解してもらう

以前、VB6しかやったことのない人に2週間でSeamをマスターさせる!?という記事を書いたのですが、本日担当していた講師の仕事が無事終わりました。
実態としてはもともとの想定をこえる講師としてかなり困難な仕事でした。受講生の人数は3人と少なかったのは幸いでしたが、経験・スキルは主にCOBOLと一部PL/SQLのバッチ系が中心ということでVB6やWebなどオープン系、画面系の開発は業務上ほとんど開発経験がないとのことでした。まだVB6だとJSFの画面部品ベースの開発モデルやイベントドリブンという点で似ているところもあるのですが、COBOLですと同じプログラムといっても相当違いますから。そもそも手続き指向のプログラミングに慣れている方は、mainから処理の流れを追いかけようとしてしまう傾向があるため、オブジェクト指向だとあちこちのクラスに処理が分散してしまうというところがまず理解の敷居を高くしているようです。また、COBOLにしてもPL/SQLにしても基本的に静的なデータ構造を扱う言語であり、ヒープやスタックなどを使うC言語Pascalとも発想が大分異なります。また、SeamJPAでは付き物のコンテキストはMapなどの動的なデータ構造のイメージがないとやはり理解しにくいと思います。
基本的なJavaの文法を3日半で学習してもらってから最後の一日でSeamをやるというシナリオだったのですが、どこまで理解していただけたでしょうか?前提知識として、

などから教える必要があったため、教えられる側も相当忙しく大変だったと思います。
ただ、基本的なサンプルを中心に、EL式を使ったバインディングや、画面遷移の記述方法、さまざまなスコープのコンテキストという話を説明し、実際にプログラムを動かしながら理解してもらうというやり方は有効でした。特にホットデプロイにより、細かい修正を行いながら演習してもらえるのはSeamのメリットであったと思います。
ただ、Seamは学習の敷居が高く、ホスト系のプログラマーの再教育のための最初のフレームワークとしてはやはり最適でないとは感じました。多少泥臭くでもStrutsなどから入った方が良かったかもしれなかったです。また、Seamなどでオブジェクト指向開発を成功させるには、経験豊富なプログラマー(アーキテクト)がプロジェクトに参画し、プログラミングモデルを規約としてある程度決めていくことが不可欠であると思います。