すべてのプログラマーに読んでもらいたい本

ネット上で「97きのこ本」として既にいろいろとうわさになっているようですが、私も書店で購入して読み始めました。

プログラマが知るべき97のこと

プログラマが知るべき97のこと

翻訳のクオリティーも非常に高くて読みやすいですし、値段も2000円以下と手ごろですので、最近出版されたプログラミング関連の和書の中では一押しの本だと思います。タイトルにはプログラマーとありますが、もちろんPGだけでなくてアーキテクトやSEの方にも是非読んでいただき、世界中のトッププログラマー*1の考え方を多くの方々に知っていただきたいと思います。
日本語版には外国のプログラマーの記事だけでなく、日本人のトッププログラマーの記事も収められています。ちょっと残念なのはオープンソースやWeb系のプログラマーの方々ばかりで、SI業界で業務システムの開発に深くかかわっておられる日本人の業務プログラマーの方の記事がないと思われることですが。
こういう本を読むと「うんうん、なるほど」と感心させられる一方で、プログラマーがこのように生き生きと専門性を発揮して活躍できる場所が、現状の日本のSI業界では非常に限られているという厳しい現実にもあらためて気づかされてちょっと悲しい気分にもなります。ただし、SI業界で働いているいわゆるPGの皆さんも、いままでどおりのやり方に何の疑問も持たずに惰性で仕事を続けるのではなく、是非こういう本を手にとって勉強し、無知なSEや上司に対して間違っていることははっきりと間違っていると主張できるくらいの技術力を付けるべきだと思います。不遇な労働環境を嘆いているだけではいつまで待っても職場環境は改善されません。

*1:Googleなどのプログラマーだけでなくて普通の業務プログラムを開発しているPGの人も含まれる。また、記事を書いている人には年配の人も多い点に注意。