IntelliJ IDEAはGroovyの学習や開発に最適なIDEだった

先日、業務系のJavaプログラマーが知っておくべき10個のBad Partsとその対策 - 達人プログラマーを目指してで、Javaのイケていない部分について説明し、そこでGroovyやScalaといったいわゆる軽量言語(LL)を使うことでコードが単純化されるという説明をしました。私自身も勉強会や書籍などで「軽量言語は簡単ですよ」という説明をされるたびに、軽量言語に乗り換えてみたいなという気になるのですが、いざ試してみると圧倒的に高機能で安定しているJavaIDEと比較して見劣りがしてしまい(特に入力補完とリファクタリング機能において)、結局Javaに戻ってしまうということが今までに何度かありました。
先日参加したGroovyの勉強会(JGGUGの勉強会(G*ワークショップ)に初めて参加してきました - 達人プログラマーを目指して)でJenkinsの川口さんがIntelliJを使ってGroovyのコードを書いていたのですが、Groovyの機能を使うには高額なエディションが必要で、一般のサラリーマンプログラマーが個人で使うにはとても高額なライセンス料が必要で、高嶺の花と思ってあきらめていたのですが、実際サイトを調べるとフリーのコミュニティーエディションでもGroovyはしっかりとサポートされているということがわかりました。プログラミング言語としてサポートしているというだけでなく、Gradleを使ったビルド機能との連携やGithubとの連携など便利な機能も入っています。これは試してみない手はないということで実際にダウンロードして使ってみました。以下にHello Worldを実行するまでの手順をまとめておきます。(IntelliJ IDEAについて、バージョンは古いですが次の記事も参考になります。Googlerも使っているIntelliJ IDEAのOSS版を試す (1/2):ユカイ、ツーカイ、カイハツ環境!(9) - @IT

Groovyのインストール

まずは、以下のサイトからGroovyをダウンロードしてインストールします。(もちろん、JDKがインストールされていなければ先にインストールしておく)
http://groovy.codehaus.org/Download
Windowsなら正式のインストーラー版が提供されており、パスや拡張子の設定を自動的にやってくれるので、Groovyが初めての初心者の人にはお勧めします。ダウンロードしたらインストーラーを起動し、手順に従って適当なフォルダーにインストールします。

IntelliJ IDEAのインストール

以下からIntelliJ IDEAのコミュニティー版をダウンロードします。
http://www.jetbrains.com/idea/
ダウンロードしたら、インストーラーを起動してインストールを実行します。なお、エディションによる違いは以下にまとめられています。基本的にGroovyやScalaの勉強をするだけであれば、コミュニティー版で大丈夫そうですね。ただし、RailsGrailsを使ったWebアプリケーション開発やSpringやJava EEなどのエンタープライズ系の開発のサポートは有償版を利用する必要があります。*1
Ultimate vs. Community - Compare Editions | IntelliJ IDEA

実験用helloプロジェクトの作成手順

IntelliJ IDEAをインストールしたら、好みにしたがってフォントとキーマップをまずは変更しておくのがよいでしょう。
設定ダイアログは、「File→Settings」の順にメニューを選択することで開きます。

あとは以下の手順に従ってGroovyのプログラムを作成できます。

1.「File→New Project」で新規プロジェクト作成ダイアログを開く

2.プロジェクト情報を入力する

ここでは簡単のためデフォルト選択のままJava Moduleを選択しておきます。Eclipseに慣れていると用語が混乱するのですが、およそ、以下の対応関係があるみたいです。

IntelliJ Eclipse
Project ワークスペース
Module プロジェクト

3.モジュールにJDKを関連付ける

次のダイアログで、Configureボタンをクリックし、JDKのインストール先を登録します。

4.モジュールにGroovy SDKを関連付ける


5.Hello.groovyファイルの作成

専用のGroovyファイルの作成メニューは見当たらないのですが、以下のようにsrcパッケージを選択して右クリックし、普通に「Hello.groovy」という名前のファイルを作成することができます。

すると、以下のような画面になります。

すでにGroovyの場所登録はしていたはずなので多少違和感があるのですが、「Configure Groovy SDK」のリンクをクリックしてGroovy SDKの場所を指定します。

あとは、普通にGroovyのコードを書いて実行することができます。

まだ使いこんでいませんが、入力補完などはきわめて高速に動作しますし、リファクタリングもしっかりと利用できます。

なお、私はまだ試していませんが、Scalaプラグインもよくできているとのことですがこれもフリー版で利用できます。以下からダウンロードできます。
http://plugins.intellij.net/plugin/?idea&id=1347
(追記)id:kimukou_26さんのコメントを参照。Scalaプラグインのインストールについて

*1:一人前のオープンソースプロジェクトの開発に携わっている人は有償版の機能をフリーで使わせてもらえる制度もあります。このエディションを使ってこそ一人前の開発者と川口さんが懇親会の席でおっしゃっていたと思います。http://www.jetbrains.com/idea/buy/buy.jsp#openSource