日本のIT業界のダメな現状を理解するための本
- 作者: 久手堅憲之
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2008/03/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 105回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
読後の感想としてはまさにタイトルのとおりで、
- 優秀なエンジニアが苦労する割に会社から評価されされない理由
- 生産性の低いITベンダー
- 多重下請け構造にしないと収益の上がらない労働集約的な構造
- 無意味なシステムを量産するIT理解不足のユーザー企業
など、私が日ごろ感じているこの業界の問題点がわかりやすく記述されていました。業界の問題点のAs Isを手っ取り早く把握するということでは良い本だと思いました。ただし、業界の構造やSIerなど会社が今後どのようになるべきかというということはまったく書かれておらず、また、エンジニアやユーザー企業に対して
- エンジニアが技術力を生かしたかったら会社から独立するしかない
- ユーザー企業がもっと賢くITを使いこなしていかなくてはならない
というやや乱暴な提案しか書かれていないので、今後のTo Be像の少なくともヒントになるようなものを期待して読むとがっかりさせられます。また、3年近く前の本ということもありますが、最近のSaaSとかIaaSといったクラウドを中心としたビジネスについては触れられていませんでした。